bowbow’s diary

家族ノカタチ

自己愛精神の姑の本当の病気まで15年

No.10

 

姑が私を呼ぶ声がしました。

いつもなら簡単に無視できるのですが

今回の呼び方はちょっと違う。

何か、悲痛に訴える呼び方

日常でも、悲痛な呼び方は頻繁にあったんですけど

いつも大したことなくて、

便秘でお腹苦しいからさすってほしいとかです。

でも今回は緊張が走るような呼び方で、

玄関に向かうと姑の顔が血まみれでした。

私は血を見るのが苦手で貧血を起こしそうになりました。

まずタオルを濡らして顔にあて

近くの病院へ行きました。

 

傷の手当をし検査結果も骨には異常はない。との事

ほほ骨と額はかなりの広範囲で擦り剝いていて

酷いあざになっていました。

大きな絆創膏を貼ってもらって帰宅しましたが

足や手は殆ど外傷がなかったです。

 

私はパーキンソン病だし転倒は仕方ない。

病気も進行しているんだし、気を付けてもらわなくちゃ。

私の当時のパーキンソン病の認識は

体が硬直していく、鬱症状もある。この程度でした。

 

姑は手足の震えがパーキンソン病と思っていましたし

散歩にも出かけていて

歩く事より倦怠感が酷いと言ってました。

 

夏に庭で手持ち花火で遊んでいる時

姑に「花火する?」

姑は花火を手にすると、私たちから離れて

グルグルと腕を回し花火を回し始めました。

その光景は小学生の子供です。

そんな姿を見ると優しくできたし憎まれ口も言われても

相手にする必要がないとその時は感じていました。

 

姑の日常の生活は

昼間はソファーで爆睡し

入浴も毎日入り、白髪染めも自分でやっていて

家事の一切はやらないのに自分の事は何でもできる。

本当にパーキンソン病

パーキンソン病って何なの?と思っていたんですよね

 

でも一度転倒し始めると

三日後、一週間後といったように転倒するようになってきました。

 

パーキンソン病

脳内のドパミンを産生する神経細胞が徐々に消失する慢性の神経難病です。

この結果、運動機能が低下し、歩行や姿勢の保持が困難になります。

このため、パーキンソン病患者は転倒のリスクが高くなります。

筋力の低下や固縮により、姿勢維持が難しくなる
歩行障害により、歩行時の バランス 取りが難しくなる
無動や凍りつき現象により、急な動作ができなくなる
認知機能の低下により、環境の変化に素早く対応できなくなる

 

パーキンソン病ってよく転ぶから気を付けてね。

これを姑に何度も伝えても

散歩にも行くし、全くの自由行動なのです。

まさか縛り付けておくわけにもいきませんし、

そうこうしているとまた転倒です。

 

ここから早かったのですが

歩行障害だけではなく凍りつき現象が現れてきたのです。

椅子に座っている姿はマネキンのようで

体の動きもロボットのようでした。

口からはよだれがでていて

目も一点を見つめてうつろです。

 

夫も私もどうしたらいいものかと思いましたが

これがパーキンソン病なんだと実感したのです。

自然に私が姑に話しかける声も大きくなって

「薬の時間だよ。飲んでね」

薬を飲むと一時間後くらいにはまた動き出すのですが

また硬直してしまう。

 

動作も鈍いので薬も一粒一粒1時間くらいかけて飲みました。

オブラートに包んで口に入れようとすると

自分で飲みたがったので手に渡してあげました。

姑には意志はあります。

動物のなまねものという猿がいますよね。

あんな感じの動きです。

食も細くなりました。同時に欲も細くなりました。

 

私も病人の介護の経験もなく

ただただ見守る事しかできない状態でしたし、

パーキンソン病だから仕方がない。

いよいよ来たかと思っていたのです。

 

そんな時に

ケアマネさんから連絡が来ました。

パーキンソン病に特化した個人病院がありますよ。

一度受診してみては?」と。

ケアマネさんは

日頃から医師のセミナーや講演会に出席していたようで

そんな時にパーキンソン病に詳しい医師の講演を聞いて

個人病院を紹介してくれたのです。

 

姑はどこの病院に行っても文句が多く

パーキンソン病になったのは医師のせいだと思っていました。

なので転倒するのも医師の処方が悪いからだと言っていて

新しく紹介された病院には行く気満々でしたね。

病気に対して知識を得ようとしない姑は

パーキンソン病がどんな病気なのかわからなかったけど

決して自分は悪くない。すさまじい自己愛精神です。

 

そして新しく紹介された病院で言われた病名が

レビー小体型認知症だったのです。

15年以上前からではないかと医師が言っていました。

びっくりです。

 

今までの生活の全てに納得できました。

医師の話では

便に執着してしまうこと。

昼はたっぷりと睡眠をとって夜に騒ぎ出すこと。

幻視や幻聴があること。

などなど

姑が私を慌てて読んで

「玄関の靴見てきて!知らない靴があるから」とか

「泥棒がこの家にいる」とか

認知症になると

被害妄想が大きくお金に対しても取られたと思ったりみたいだけど

そもそもドケチなので気が付かなかった。

 

レビー小体型認知症の特徴で

日によって調子のいいときと悪いときが著しいみたいですが

そもそも家事の一切をやらないから座りっぱなしでいる事や

調子のいい日は散歩に行くので

自由で気ままな姑にしか思っていなかった。

 

性格もナルシシズムの姑であり

イラつくことも沢山あったけど

病気の特徴を擦り合わせると納得できました。

 

レビー小体型認知症(Lewy body dementia、LBD)は、

主要な認知症の1つで、

アルツハイマー認知症パーキンソン病とは異なる特徴を持つ疾患です。

主な特徴は以下のとおりです:

認知機能障害
注意力、思考力、記憶力の低下が見られる
注意力の変動や見当識障害も特徴的
パーキンソン症状
動作緩慢、筋固縮、振戦などのパーキンソン病様の症状が認められる
幻視
繰り返し現れる複雑な視覚的幻視が特徴的
幻視は患者を恐怖や不安にさせることがある
意識レベルの変動
日内変動が著しい
時に意識レベルが低下することがある
抗精神病薬に対する高感受性
抗精神病薬使用時に過度の副作用が出現しやすい

 

そして最近知ったのですが

抗精神病薬の服用が非常に難しいそうです。

簡単に言うと

どんなに感情的になって泣いてみたり、暴言を吐いたり、

奇声を上げても抗精神病薬を飲むと過度の副作用が発現するみたいです。

なので

家族はその病気を理解し対処することが一番なのです。